玉葱栽培は綱渡り

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 玉葱収穫の最盛期に入った。明日は大雨が予想されているが、今日までの数日間は晴天に恵まれ、風はかなり乾いている。畑はからっからの砂埃だ。昨日、貯蔵品種の「ターザン」を全て引き抜いて、葉を切っておいた。丸一日畑で干すことができて、大満足である。そして、今日すべてコンテナに入れて、屋根のある機械小屋に収納した。二週間程度乾かして、呼吸熱を放出させてから、冷蔵庫に入れる予定だ。収穫量はコンテナで五十八箱。一トン強の収穫になる。

 「ターザン」は、二月まで貯蔵でき中生種である。品質は「もみじ三号」より優秀なものと思っている。玉葱の葉の八割倒伏を目安に収穫して、貯蔵性の向上をはかるのが通常のやり方である。が、さらにそれを前進させて、三割程度の倒伏で収穫した。その分、収穫量は減ることになるが、気候の影響、つまり雨前の収穫収納完了を目指すために、早めの収穫になった。トウ立ちも、十本に満たない程度だった。葉を切って一日太陽の元で干す、このことができる喜びは、貯蔵性の良い玉葱栽培を目指すものにとっては、この上なく幸せを感じることなのである。

 今年のターザンの作付け地は、去年の「もみじ三号」の栽培地である。去年から、生分解マルチフィルムを使用している。その前は、紙マルチを使用していた。去年の「もみじ三号」は、草とりには入ったが、追肥や土揚げ作業はほとんど行わなかった。マルチが、ビニールマルチの正確に似ていると感じたから、生育の進みすぎることを恐れたのだった。その結果、トウ立ちが二割程度は出てしまった。おまけに、天候も雨がちだったので、貯蔵性を悪くした。翌二月初旬で、玉葱出荷の際にいいものが少なくなってしまった。そういうことの反省の元に、今年の玉葱栽培は、改良を積極的に行ってきた。

 育苗は通常通りで、定植時期は六十日から六十五日育苗と、若干遅めである。播種期というものは、しっかり定められていて、播種期をずらすとしても、せいぜい一日ずらすくらいである。これは、玉葱が日長に敏感な作物だからである。これは遵守しなければならない。「ターザン」の場合は、九月二十五日である。追肥は、初期のリンサン、という格言どおりに実行、米ぬかを一月にまいた。そのあとに、堆肥を畝の上にどかどかと載せていった。そして、さらにその上に土揚げ。三月に入って、後期のカリ、の格言どおりに灰をまいた。そして、その上に土揚げ。四月にも土揚げ。この土揚げが大きなものをいったのであろう。

 土揚げによって、マルチフィルムの上に堆肥や土の層が出来、マルチによる熱の上昇しすぎを防いでいる。これがまずトウ立ちの防止に役に立ったと思う。そして、大型トラクターの導入により、畝をまたいでサブソイラを使って草とりをしたときに、マルチの裾を破いて、畝横の通気性を良くしたのである。やはり、健全な根には空気が必要だろう。そして、最後の天候。晴天続きを狙って収穫することに、神経を集中した。これから、まだ次の品種、そのまた次の品種と、収穫は続く。さらに、じゃがいもの大量の収穫も待っている。それらの綱を渡ってこそ、玉葱栽培は終わった、と言えるのである。

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